新人に同じ説明を、何回していますか?

2店舗目を出したとき、いちばん先に壊れるのが新人教育です。 問題は「同じ話を3回すること」ではありません。3回目の話が、1回目と違っていることです。 原因は教材ではなく、「誰が、どこまで終えたか」を持っている人がいないことでした。

出典は労働安全衛生法・同規則・美容師法の条文と、厚生労働省の統計です。ページの最後に原文のURLをそのまま置いています。
この記事の立ち位置

従業員が数人〜数十人の会社・お店を想定しています。大企業向けのLMS(学習管理システム)の話ではありません。Excelと動画フォルダ、あるいは口頭で回している段階の会社が、次に何をすればいいかを書いています。

とくに2店舗以上を持っていて、新しい人が入るたびに同じことを教えている経営者の方に向けて書きました。美容室・ネイルサロン・整体院・飲食など、店舗を増やした側の会社で同じことが起きています。事業所を複数お持ちの介護・障害福祉の法人さまからも、同じお話をよく伺います。以下「店舗」と書いているところは、事業所に読み替えてください。

この記事の中身
  1. まず「うちはどれか」を確かめる
  2. いちばん多い誤解=教材を増やしても、研修は回りません
  3. 2店舗目から、教育がいちばん先に壊れます
  4. つまずく場所6つと、その直し方
  5. 法律で決まっているものが2つあります
  6. 数字で見る「教え直し」の量
  7. 仕組みを入れる前に、今日できる3つ
  8. この記事にできないこと
  9. 出典(すべて一次情報)

1. まず「うちはどれか」を確かめる

研修の仕組みは、全部の会社に要るものではありません。先に自分の位置を確かめてください。ここを飛ばすと、要らないものを入れて管理の手間だけが増えます。

いまの状態判断
A 1店舗・スタッフ5名以下
新しい人は年に1人あるかどうか
まだ早いです。紙とExcelで足ります。オーナーが全員の顔と進み具合を覚えていられる規模なら、仕組みを入れても手間が増えるだけです
B 1店舗だが、新しい人が年3人以上入る
または教える人が2人以上いる
効き始めます。ただし最初にやるのは仕組みではなく、「教える内容を1枚に書き出すこと」です。7章に手順を書きました
C 2店舗以上あるいちばん効きます。すでに店舗ごとに教え方が分かれ始めているはずです。3章で、何が起きているかを書きました
D 記録を求められる可能性がある
(安全衛生教育・許認可・取引先の監査など)
別の理由で必要です。「回すため」ではなく「出せるようにするため」。5章を読んでください

AとBが混ざっている会社が多いです。その場合はBで考えてください。人が増える側に合わせておくほうが、あとで作り直さずに済みます。

2. いちばん多い誤解=教材を増やしても、研修は回りません

研修が形にならない会社の多くは、教材が足りないのではありません。「誰が、何を、いつまでに終えたか」を持っている人がいないだけです。

動画を撮る、マニュアルを配る、先輩に付ける——ここまでは、たいていの会社ができています。止まるのはその次です。終わったかどうかを追う人がいないと、受けた人と受けていない人が混ざり、半年後には誰も分からなくなります。

「教えたつもり」と「聞いたつもり」は、同じ強さで残ります

ここが厄介なところです。教えた側は「あれは伝えた」と覚えています。教わった側も「あれは聞いた」と覚えています。どちらも嘘をついていません。ただ、中身がずれています。

そして、ずれていることに気づくのはたいていお客様の前です。クレームや作業のやり直しが起きて、はじめて「教えていなかった」と分かります。この時点で、原因を特定する手段がもう残っていません。誰がいつ何を教えたかの記録が、どこにもないからです。

要点 教材は「教える材料」です。研修が回らない原因は材料ではなく、帳がないことです。台帳とは、誰が・何を・いつまでに・終えたか、の4つが並んで見える1枚のことです。

台帳が「オーナーの頭の中」にある会社は、けっこう強い

誤解のないように書いておきます。1店舗で、オーナーが全員を毎日見ている会社は、これで足りています。頭の中が正確な台帳になっているからです。仕組みを入れる必要はありません。

問題は、その台帳が持ち歩けないことです。オーナーが店にいない日、店舗が増えた日、オーナーが体調を崩した日に、台帳ごと消えます。次の章はその話です。

3. 2店舗目から、教育がいちばん先に壊れます

2店舗目を出したときに、売上でも採用でもなく、いちばん先に音を立てて壊れるのが新人教育です。理由ははっきりしています。

壊れ方 1

オーナーが2つの場所に同時にいられない

1店舗のときは、教えるのも、見るのも、直すのもオーナーでした。この形は、店が1つのときだけ成立します。2店舗目ができた瞬間、片方は必ず「見ていない店」になります。

ここで多くの経営者が、店長やベテランに教育を任せます。判断としては正しいです。ただ、任せた先で次が起きます。

壊れ方 2

教える人が増えると、教える内容が枝分かれする

Aさんが教えると15分で終わる説明が、Bさんが教えると30分かかる。順番も違う。そして、どちらも間違っていません。それぞれが自分のやり方で覚えたことを、自分のやり方で渡しているだけです。

枝分かれ自体は自然なことです。困るのは、枝分かれしたことに誰も気づかないまま1年経つことです。1年後には「A店のやり方」と「B店のやり方」ができあがっていて、もう片方に合わせられなくなっています。

よく聞く形 「B店から来た子に一から教え直しています。うちのやり方を知らないので」
実際に起きていること その子は教わっています。教わった内容が違うだけです。教え直しているのは、本人の問題ではなく、会社側に「うちのやり方」が1つに書かれていないからです
壊れ方 3

異動のたびに、教育が振り出しに戻る

2店舗以上あると、人が動きます。ヘルプ、異動、シフトの融通。そのたびに「この子は何を知っているのか」が分からなくなります。

分からないので、安全側に倒して最初から教えます。教わる側は「それ、前の店で聞きました」と思いながら黙って聞きます。ここで失われるのは時間だけではありません。「この会社は自分のことを把握していない」という印象が、静かに積み上がります。

要点 同じ話を3回するのが問題なのではありません。3回目の話が1回目と違っていて、しかも本人が「もう聞いた話」だと思っていることが問題です。教育の内容ではなく、教育の履歴が持ち歩けていない状態です。

この3つに共通しているもの

教材でも、教える人の熱意でもありません。「この人は、どこまで終わっているか」を、店をまたいで見られる場所が無いことです。1店舗ならオーナーの頭で足りていたものが、2店舗目から足りなくなります。

4. つまずく場所6つと、その直し方

ここからは、実際に止まる場所を1つずつ書きます。読みながら、当てはまるものにいくつ手が挙がるかを数えてみてください。3つ以上なら、もう頭の中の台帳では持ちきれていません。

1
よくある状態 動画やマニュアルをフォルダに置いて「見ておいて」と伝えている

見た人と見ていない人が混ざります。しかも本人も「見たつもり」になるので、後から確認しても正確に出てきません。

なぜそうなるか 「見ておいて」は、お願いであって割り当てではありません。期限も、担当も、終わりの合図もない指示は、実行されないほうが自然です。本人の意欲の問題ではありません。
直し方 人ごとに「割り当て」を作る。見せるのではなく、その人の宿題にする

それでも直らないとき 割り当てたのに進まない場合、原因はたいてい「1つが大きすぎる」ことです。90分の動画は宿題になりません。15分×6本に割ると、急に進みます。

2
よくある状態 期限を決めていない

期限のない研修は、忙しい人から順に後回しになります。これは意欲の問題ではなく、順番の問題です。期限がないものは、常に最後になります。

なぜそうなるか 目の前の仕事には全部、期限があります。予約が入っている、締めがある、お客様が待っている。期限のある仕事と期限のない仕事が並んだら、期限のあるほうが勝ちます。毎回です。
直し方 開始日と期限をセットで置く。「いつまでに」が無い研修は、無いのと同じ

期限の決め方 入社日から数えて「3日以内」「2週間以内」「1か月以内」の3段に分けると、たいていの店で回ります。全部を初日に詰めないでください。初日に詰めた研修は、初日に終わらず、そのまま流れます。

3
よくある状態 未完了者を洗い出すのに、毎回Excelを開いて手で数えている

数えるのが面倒だと、だんだん数えなくなります。そして数えなくなった時点で、研修の管理は終わります。

なぜそうなるか 管理が続くかどうかは、担当者のまじめさではなく1回あたりの手間で決まります。毎回15分かかる作業は、3か月で止まります。毎回10秒で済む作業は、1年続きます。
直し方 未完了者が一覧で勝手に出てくる状態にする。探す作業をゼロにする

判断の目安 「いま未完了の人は誰か」を答えるのに1分以上かかるなら、その管理はいずれ止まります。止まってから直すより、いま直すほうが安く済みます。

4
よくある状態 担当者が異動・退職すると、履歴がどこにあるか分からなくなる

個人のPCやメール、個人のLINEに残っている状態です。いちばん多い事故がこれで、監督署や取引先から記録を求められたときに出せません。

なぜそうなるか 悪意ではありません。その人がいちばん動きやすい場所に置いただけです。会社側が「ここに置く」と決めていなければ、各自が自分の使いやすい場所に置きます。当然のことです。
直し方 履歴を会社側に残す。担当が変わっても引き継げる場所に置く

先に確認すること いま研修の記録を持っている人が辞めたとして、あなたはその記録を自力で開けますか?開けないなら、それは会社の記録ではなく個人の記録です。

5
よくある状態 研修の予定・場所・オンラインのURLが、都度メールやチャットで飛んでいる

探す時間が積み上がります。参加者から「URLどこですか」と毎回聞かれる会社は、ここが原因です。

なぜそうなるか チャットは流れます。情報を置く場所ではなく、情報を運ぶ道具です。道具の使い方が間違っているだけで、誰も悪くありません。
直し方 予定・場所・URLを研修そのものに紐づける。聞かれる前に、そこにある状態
6
よくある状態 新しい人が「これ、まだ聞いていません」と言い出せない

5つ目までは会社側の話でした。6つ目は教わる側から見た景色です。ここが抜けている記事が多いので、書いておきます。

新しい人には、自分が何を終えていて、何が残っているかが見えていません。見えていないので、聞き逃したことがあっても「みんなが知っていて、自分だけ聞いていない」のか「まだ誰も教わっていない」のかが判断できません。判断できないと、人は黙ります。

なぜそうなるか 新しい人ほど「こんなことを聞いたら、聞いていなかったのかと思われる」と考えます。遠慮ではなく、防御です。入ったばかりの人にとって、評価を下げないことは生き延びることと同じ意味を持ちます。
直し方 本人にも、自分の進み具合を見せる。残りが見えていれば「まだ聞いていません」は事故の告白ではなく、ただの進捗報告になります

ここが効く理由 管理する側の道具は、たいてい管理される側の不安を増やします。進み具合を本人にも開くと、逆になります。「見張られている」ではなく「残りが分かる」に変わるからです。

5. 法律で決まっているものが2つあります

ここまでは「回すため」の話でした。ここからは「出せるようにするため」の話です。研修を仕組みにするかどうかとは別に、法律で決まっているものがあります。

5-1. 雇入れ時の安全衛生教育(全業種)

労働安全衛生法は、事業者に対し労働者を雇い入れたときの安全衛生教育を義務づけています(第59条第1項)。作業内容を変更したときも同じです(同条第2項)。

労働安全衛生規則 第35条(雇入れ時等の教育)/2026年8月時点の条文 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。
  1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
  2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
  3. 作業手順に関すること
  4. 作業開始時の点検に関すること
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
  6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること
  8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項
ここが変わりました。 以前は、一部の業種で第1号から第4号までを省略できるという定めがありました。この省略の定めは、2024年(令和6年)4月1日の改正で無くなっています。 ※確認方法=e-Gov法令検索の現行条文(2026年8月時点)に、業種による省略の定めが存在しないことを直接確認しました。古い解説資料やPDFには、いまも旧条文の「ただし書き」が載っていることがあります。お手元の資料が改正前のものでないか、施行日をご確認ください。

ただし、条文をよく読んでください。教育が必要なのは「当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項」です。全業種が8項目を丸暗記して全部やる、という意味ではありません。

項目店舗業(美容室・サロン・飲食など)で、実際に中身が入りやすいもの
一・二薬剤、カラー剤、消毒薬、刃物、施術機器の扱い方と危険性。手袋などの保護具
三・四開店前の点検、機器の始業前確認、施術の手順
手荒れ・皮膚障害・腰痛など、その仕事で起きやすい不調の原因と予防
整理・整頓・清潔の保持。美容所では衛生管理そのものと重なります
やけど・切創・薬剤が目に入ったときの応急措置、火災時の退避経路
上記以外で、その仕事の安全・衛生に必要なこと

この表は「うちの場合はここに中身が入りそう」という当たりを付けるためのものです。自社が何をどこまでやるべきかの判断は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。業種と作業内容で変わります。

正直に書いておきます。 第35条は「記録を残せ」とまでは書いていません。3年間の保存が明記されているのは、危険・有害業務の特別教育のほうです(労働安全衛生規則第38条)。

ただし、やった証明ができないと「やっていない」と同じ扱いになりやすのが実務です。求められる場面は、労働基準監督署の調査、労災が起きたあと、取引先の監査など。そのときに出せるかどうかで結果が変わります。記録は義務だから残すのではなく、自分を守るために残すものです。
労働安全衛生規則 第38条(特別教育の記録の保存) 事業者は、特別教育を行なつたときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを三年間保存しておかなければならない。

罰則について。労働安全衛生法第120条第1号は、第59条第1項(同条第2項で準用する場合を含む)の違反を50万円以下の罰金と定めています。ただし、罰金の話を脅し文句として使う気はありません。実務で先に困るのは、罰金ではなく「事故が起きたときに何も出せないこと」のほうです。

5-2. 管理美容師(美容師である従業者が常時2人以上の美容所)

美容室・ネイルサロンを2店舗以上お持ちの方には、こちらのほうが身近です。研修管理システムで解決する話ではありませんが、店舗を増やすときに必ず出てくるので、条文をそのまま置いておきます。

美容師法 第12条の3(管理者) 美容師である従業者の数が常時二人以上である美容所の開設者は、当該美容所(当該美容所における美容の業務を含む。)を衛生的に管理させるため、美容所ごとに、管理者(以下「管理美容師」という。)を置かなければならない。ただし、美容所の開設者が第二項の規定により管理美容師となることができる者であるときは、その者が自ら主として管理する一の美容所について管理美容師となることを妨げない。

2 管理美容師は、美容師の免許を受けた後三年以上美容の業務に従事し、かつ、厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した講習会の課程を修了した者でなければならない。
2店舗以上の方が引っかかるのはここです 条文は「美容所ごとに」と書いています。開設者自身が管理美容師になれるのは「自ら主として管理する一の美容所」だけです。つまり2店舗目には、別の管理美容師が要ります。そしてその人は、免許取得後3年以上の実務と、知事指定の講習会の修了が必要です。思い立ってすぐには用意できません。

ここで研修管理の話に戻ります。「誰がいつ講習を修了したか」「誰があと何年で3年に届くか」を、店舗をまたいで持っておく必要があります。次の出店の時期は、物件ではなく人の要件で決まることがあるからです。これを頭の中だけで持つのは、店が増えるほど難しくなります。

※管理美容師の設置が必要かどうか、講習会の日程や申込方法は、所轄の保健所と都道府県にご確認ください。この記事は条文を置いているだけで、個別の判断はできません。

6. 数字で見る「教え直し」の量

「うちは人の入れ替わりが多いから」と言われる経営者の方が多いので、感覚ではなく数字を置きます。

① 1年でどれくらい入れ替わるか
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」(2024年1年間・調査対象は常用労働者5人以上の事業所)によると、 「生活関連サービス業,娯楽業」の離職率は19.0%でした。全産業の平均は14.2%です。
※美容業は、日本標準産業分類でこの「生活関連サービス業,娯楽業」(大分類N)に含まれます(中分類78 洗濯・理容・美容・浴場業/小分類783 美容業)。同じ分類には娯楽業なども入るため、美容業だけの数字ではありません。

計算してみます。スタッフが10人いる会社で、離職率19.0%をそのまま当てると 10人 × 19.0% = 1.9人年に2人近くが入れ替わる計算です。2店舗で合計10人なら、新人教育は年に2回。教える人が店舗ごとに違えば、その2回は別々の内容になります。

※これは業界の平均値を自社に当てはめた概算です。実際の入れ替わりは会社ごとに違います。お手元の数字で計算し直してください。そのほうが正確です。

② 新卒で入った人は、3年でどれくらい残るか
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、 「生活関連サービス業,娯楽業」の就職後3年以内の離職率は、高卒61.5%・大卒54.7%。 全産業の平均は高卒37.9%・大卒33.8%でした。
※産業別で見ると、高卒・大卒とも「宿泊業,飲食サービス業」に次いで2番目に高い水準です。
この数字の読み方 これは「あなたのお店が悪い」という話ではありません。業界としてこうなっています。だから、「定着すれば教え直しは要らなくなる」という前提で組まないほうがいいという話です。教え直しは必ず起きます。起きる前提で、教える中身を1回だけ作って使い回すほうが早く済みます。

7. 仕組みを入れる前に、今日できる3つ

ここまで読んで「うちは当てはまる」と思われた方へ。いきなり何かを買う必要はありません。先に、今日30分でできることを書きます。これをやらずに仕組みだけ入れると、空っぽの仕組みが残ります。

① 20分

新しい人に教えていることを、紙1枚に書き出す

思い出せるものだけで構いません。完璧を狙うと、着手できずに終わります。「初日に言うこと」「1週目に教えること」「1か月で覚えてほしいこと」の3つに分けて、箇条書きにするだけです。

2店舗以上ある方は、店長それぞれに同じことをやってもらってください。並べると、枝分かれしている場所がその場で見えます。ここがこの作業のいちばんの収穫です。

② 5分

その1枚に「誰が教えるか」と「いつまでか」を書き足す

項目ごとに担当と期限を入れます。担当が空欄のままの項目は、教えられていません。期限が空欄のままの項目は、後回しになります。書き足した時点で、抜けが見えます。

③ 5分

終わったらチェックを付ける場所を、1つだけ決める

紙でもExcelでもLINEでも構いません。大事なのは形式ではなく「1つに決めること」です。2つあると、両方が中途半端になります。

ここまでは全部無料でできます。仕組みが要るのは、この1枚が回らなくなったときです。人数が増えて紙が追えなくなったとき、店舗が増えて1枚では足りなくなったとき、担当が変わって前任者の紙が読めなくなったとき。そのときに初めて、道具の出番です。

8. ただし、入れれば回るわけではありません

最後に、こちらに不利なことも書いておきます。

研修管理の仕組みを入れれば研修が回る、ということはありません。回すのは人です。仕組みができるのは、「誰が終わっていないか」を隠さなくすることだけです。見えるようにしたあと、声をかけるのは人の仕事です。

仕組みができること仕組みにできないこと
誰が終わっていないかを、探さずに出す終わっていない人に声をかける
教える中身を1か所に置く教える中身を作る
履歴を会社側に残す教え方の質を上げる
店舗をまたいで同じ状態を見せる店舗ごとのやり方の違いを、勝手に統一する

それから、最初の1か月はむしろ手間が増えます。いままで頭の中にあったものを、言葉にして入力する作業が発生するからです。ここを越えられないと、入れた意味がありません。逆に、7章の「紙1枚」がすでにできている会社は、この山をほぼ越えています。

判断の目安 3か月続けられる見込みがないなら、まだ入れないほうがいいです。やめた仕組みは、やらなかった仕組みより厄介です。「あれ、結局やらなかったよね」という記憶が、次の改善のときに邪魔をします。

うちが作っているのは、その「終わったかどうか」を持つ側です

NEST ACADEMY|社内研修管理サイト。教材を作る道具ではありません。誰が、何を、いつまでに終えたかを持つための場所です。

49,800円(税込)。会社ごとに対象者も完了条件も違うので、ご購入後に現状をうかがってから導入を進めます。ご購入から、おおむね1週間で使える状態にしてお渡しします。基本の形はここまでで、それ以外に必要なものがある場合は、できるかどうかを含めてご相談ください。

NEST ACADEMY の中身を見る 先に公式LINEで相談する

「うちに要るかどうか」から相談できます。1章のAに当てはまる場合は、要らないとお伝えします。営業のご連絡はしません。

9. この記事にできないこと

10. 出典(すべて一次情報)

次にやることは、3つだけです

① 7章の「紙1枚」を、今日つくる。20分で終わります。買う必要はありません。2店舗以上ある方は、店長それぞれに同じものを書いてもらってください。並べたときのズレが、いま起きていることの答えです。

② 4章の6つを数える。手が挙がったものが3つ以上なら、頭の中の台帳ではもう持ちきれていません。0〜2つなら、まだ紙で足ります。無理に道具を入れないでください。

③ 判断に迷ったら、1つだけ聞いてください。「うちの規模で要るのか」「うちのやり方で入るのか」——気になっている1点だけ、無料でお返事します。要らない場合は、要らないとお伝えします。営業のご連絡はしません。

公式LINEで1点だけ聞いてみる NEST ACADEMY の中身を見る
研修以外の手作業も止まっているなら

毎週の転記や集計を1つだけ自動化する業務ミニシステム制作(49,800円〜)もあります。購入前に、対応できるかと標準料金に収まるかを無料で確認します。できないことは受注前にお伝えします。

業務ミニシステムを見る
あわせて読むもの